属人化って本当に悪いことだろうか?ワタミ体質企業に騙されてないか?

という煽りタイトルを付けたあとでマジメに考えたい。今回はたたき台くらいまでつくる。 「〜の属人化」って完全な害悪のように語られるのだけど、 世の中にそんな一元的正義って存在しないんじゃないだろうか。 均質化流れ作業はフォード以降の近代大量生産型工業の大前提であるが、 今はもうそういう時代じゃなくなってきている。 少なくとも日本は、そのやり方では中国に勝てない。 AppleのJobsなんて明らかに属人化してたけど強かったじゃないか。 であればこれが重要なファクターではない可能性を検討する時期には入っているのだろう、 というのが検討するモチベーションである。

組織論全般について言えることだが、立ち位置に沿って何パターンか考える必要がある。 自分は末端の一技術者だからまずそこから見える範囲で書く。 中間管理職と組織上層部については推測でしかないので、見に来たえらい人がいたら教えて欲しい。

末端の作業者の視点 ・メリット - 自分が休みたいときに他人に任せることが可能になる - 一旦完了させたあとのルーチンワークに忙殺されることなく次に移れる

・デメリット - 自分がその組織に居る必然性がなくなり、組織から見て交換可能なパーツになる。 - (一般的に)利用の手引き系のマニュアルを書かされることになり、めんどくさい - 属人化解消が、「同期のバカを使い物になるまで指導する」を意味することが往々にしてあり、ウザい

「お前、それ他の人間にもできるようにしとけよ」って命令は、悪意を持って解釈すると 「お前がいなくても何とかなるようにしろ -> 気が向いたときにオマエの首を切れるようにしとけ」 ってことになる。これは動かしようのない事実。 末端の作業者は、「ドキュメント書きめんどくせぇ」以上に、自分の雇用を危うくする行為なので、 自主的にやるべきではあまりない。 一方で、自分で抱え込みすぎると、それこそ盆でも正月でも風邪を引いていても、 必要に応じて否応なく呼び出されることになる。過労死するパターン。 命令の如何に関わらず、ここのバランスは自分でとらないといけないし、 それができない人間はずっと末端のままで居て欲しい。 きっと根性論ふりかざす上司にしかならないので。

中間管理職の視点 ・メリット - 任意の部下数名が異動になっても組織の業務が止まらないようになる - 均質化できれば数値化(人月化)しやすく、管理がラクになる ・デメリット - 個人技を殺すことになりかねない。少なくとも稼働割合は減る。

主に業務の属人化打開を唱えるのはこの立場の人だという認識があるが、 一番得をするのがこの人達っぽいので仕方が無い。 「A君が風邪をひいたので部署の仕事が止まりました」では無能と言われても仕方が無い。 せっせと交換可能なパーツを作るに限る。

一方でエースパイロットに新兵の研修をやらせるのが本当に正しいのか? 部隊としての戦果は下がるんじゃないか? という疑問はあるだろうが、その折り合いを付けるのが彼らの仕事である。

組織幹部の視点 ここ、ぼくから直接的に見えないのでよくわからず、多分に妄想になるので、 箇条書きにはちょっとできない。 加えてこの層は、「属人化」以外に「属組織化」を考えないといけない立ち位置のはず。 例えばメーカーなら、他社にマネされない構成にしないといけない。 中国に安価でコピーされたら会社がつぶれてしまうのである。 ということは彼らから見たら、自分たちで抱え込む必要がある。 但し個人に属した形であると、そいつが引き抜かれたら終わりなので、 組織として抱え込むか法律で守るしかない。 自社特許とかそういう形になるのかな。 折角特許を取ったのに、書いた人間がいなくなったから、 権利はあるのに生産できないとかマヌケでしかないので、 やっぱり属人化を避けるのが最適戦略なんだろうか? とは言いつつ、特許を書きうる人間を内向きなマニュアル書きで忙殺してどうする?

一山幾らと見るか、Jobs候補生を忙殺する可能性があると見るかで、 この位置に人間の行動は変わってくるようにおもう。 この辺の層の生の声を聞いてみたい。

ここまで書いて、やっぱり完全な正義じゃないよね、と準備体操ができたので、 情報が集まったら正解について考えてみたい。

Written on August 24, 2013